トレーニング科学
トレーニングの進め方
トレーニングを合理的に進めるためには、コンディショニング・
メネジメントのための管理サークルを活用することが大事である。
コンディーショニング・マネジメントのための管理サークルとは、フィジカル
測定の結果を参考にして、定期的に;
計画→実行→評価→見直し
を状況に応じて繰り返し行うことである
トレーニング計画 (Plan)
トレーニングを計画するに当たり、まずフィジカル測定のデータ
を参考にして、選手個人の現状を把握し、現実的な目標を
設定する。次にそれらから問題点を見つけだし、対象とする
体力領域の設定、目標血の設定、トレーニング期間の
設定、トレーニング方法の設定を行った上で、最終的に
基本的なトレーニングプログラムの作成を行う。
- 体力領域の設定 → 何を
- 目標値の設定 →どこまで (スペード、タイム、持久力、等)
- トレーニング期間の設定 →どの間に
- トレーニング方法の設定 →どのように
- 具体的にトレーニングプログラムの設定
●現状の把握と目標設定
現状の把握と目標設定は、理想な状態と現在の状態の
ギャップを最小化するイメージである。
具体的に現状の状態として何を向上するかと言いますと
- 競技パフォーマンス
- 心身のコンディション
- ライフスタイル
目標設定については、最終目標に向けて、今やるべきことを
把握できるように、具体的なものが望ましい。
例えば;プロサッカー選手になりたい、大会で優勝したいとか。
そのためにはサッカーチームに入団する、チームのスタメンに
なる、トレーニングを一生懸命する、そのために選手としての
ライフスタイルはどうしたらいいとか そのために。。。。
それから チームでレギィラーになるには;何が足りないのか、
何をトレーニングしなければならないのか、何ができて、
何ができないのか、など 考えて 実行に向けて設定する
●目標値を決める (どこまで)
目標値の設定も具体的な方が良い。例えば日本サッカ協会
で収集する各年代の代表チームが行っているフィジカル測定
の結果は、参考にできる、ほとんどのフィジカル測定は特別な
機械などが必要なくできるので、自分の、あるいは監督して
いるチームの選手にも行って上で状況を把握し理想的な
目標値を設定できる
例えば; 20mあ走 現在 3.4 → 目標 3.0 sec
YO-YO TEST(持久力測定) 現在 800 →目標1000m
バウンディング 現在6.5 →目標値 7.0m など。。
●トレーニングの実行 (Do)
トレーニングの実行に関するポイントは、トレーニング実施
記録とトレーニング管理およびコンディショイング管理である。
記録そのものは選手個人が記録しても良いが、管理は
総合的かつ横断的に検討するため、コーチまたは担当者
がパソコンを用いて管理することにより、さらにデータの活用
がしやすくなる。
- トレーニング実施記録
- トレニング日誌をつける
- トレニング管理(データベースの構築)
- フィジカル・技術・戦術の割合
- 各体力領域の割合
- コンディショニング管理
- 体重の推移
- フィジカル測定のデータ管理
●トレーニングの評価 (Check)
トレーニング評価を行ういは、客観的・主観的指指標が必要
である。客観的指標の代表例は、フィジカル測定の数値である
主観的指標はサッカーの試合におけるパフォーマンスである。
- なにが伸びて何が伸びていないか?
- 狙いとおりの伸びを示しているか
- フィジカル測定の導入→トレーニング効果をチェック
- 練習試合の導入→試合でのパフォーマンスを確認
●トレーニングの見直し(Action)
トレーニングの評価は、日ごろのコンディションを把握すること
にあるので、年間3~4回程度、定期的に同じ条件で同じ
項目を継続的に行うことが大事である。定期的に積み上げ
られたフィジカルチェックのデータは、あらゆる側面から選手の
状態を把握し、トレーニング計画を見直しやコンディーショニングの
資料として約立つこととなる。
●順調に発達見られる場合 → トレーニング継続
●発達が見られない場合
→トレーニングの見直し
→心身のコンディーションの見直し
→ライフスタイルの見直し(食事、睡眠 など)
●トレーニングの再計画
●心身のコンディションの見直し
心身のコンディションの見直しには選手とのコミュニケーションが
大変有効である。特にユース年代では、サッカーだけでなく、
学校・家庭での問題を抱えているケースもあるので、内に
こもらないよう、心掛ける必要がある。
- 練習・学習意欲
- 学校・家庭での悩み
- 自覚的に良い状態にあるか
- 疲労の度合いはどうか
●ライフスタイルの見直し
ライフスタイルの見直しも必要である。運動の効果は、食事
と栄養とのバランスが取れていなければ、顕著に
見られないからである。特に、身体が大きく成長する育成
年代では、ライフスタイルの教育は、その後の選手生命に大きく
右左すると言ってもよう。
●食事に関する調査
→朝食しっかり食べているか
→偏食をしていないか
→トレーニング前後にどのようなものを食べているか
●休養に関する調査
→睡眠時間は十分とっているか
→就寝時間・起床時間を定めているか
→週に一日身体を休める日はあるか
☆トレーニングシーゾンの期分け
コンディショニンクお考える上で、トレーニングシーズンの期分けは
極めて重要である。トレーニングシーズンは
オフシーズン→プレシーズン→インシーズン
の3つで構成される。
●オフシーズンの考え方
オフィシーズンは長いインシーズンを戦い抜くためのスタミナを養成
するための期間である。パワーに関しては、基礎的な筋力
向上を目的とした筋力トレーニングの導入に適している。
基礎的な筋力トレーニングは、より進んだパワー系の
トレーニングであるバリスティックやプライオメトリクスなど
高強度のトレーニングへの準備段階としても重要である。
スキルでは、動きの素早さを高めるために、基礎的な調節
力および敏捷性のトレーニングを行う。まず始めに、いろ
いろな方向へのステッピングを取り入れ、足の運びを
スムーズにする。スピード・アジリティ・クイクネスを高める
SAQトレーニングに代表されるラダーやミニハードルなどを
使った規則性のあるドリルが有用である。
オフシーズンのメインテーマは選手作りである
- 基礎体力づくり
- 基礎機能の向上
- 個人戦術の徹底
- サッカーに必要な基礎的な体力・運動能力の発達
●オフシーズン週間スケジュール例
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| フィジカル ステミナ 60′ |
フィジカル スキール 60 |
フィジカル ステミナ 60′ |
フィジカル スキール 60′ |
|||
| 休養 | 技術 戦術 60′ |
技術 戦術 60′ |
技術 戦術 120′ |
技術 戦術 60′ |
技術 戦術 60′ |
技術 戦術 120′ |
| パワー 30′ |
パワー 30′ |
パワー 30′ |
●プレシーズンの考え方
オフシーズンからプレシーズンにかけておこなうスタミナを
向上させるトレーニングは、大きく次の3つの段階に分けて
考えられる。
●第1の段階としては、最大酸素摂取量の60~80%の
スピードで走るLSD(Long Slow Distance)走がある。
無理のないスピードで長い時間持続してはしることは、
いわゆる有酸素性持久力の向上を重視したトレーニングで、
体脂肪の燃焼、呼吸循環系および毛細血管などの末梢
組織の発達を狙いとします。
●第2の段階として、タイムトライアル走や12分間走などの
決まった距離や時間を最大努力に近いスピードで走り抜く
トレーニングが挙げられる。スピードの向上と持続が狙いと
なり、加えて最大酸素摂取能力の向上が目的となる。
●第3の段階に進むと、乳酸除去能力の向上を目的とした
スタミナのトレーニングを行う。サッカー競技では試合中、
ダッシュを連続して行った場合などに血中乳酸濃度が高まり
その結果パフォーマンスが低下することがある。これを防ぐ
ためには、できるだけ早く筋肉内に蓄積された乳酸を除去
する能力が必要になる。
●パワーに関しては、オフシーゾンでの筋力トレーニングの
継続と、速い筋収縮と爆発敵なパワーを高めるためのバリス
ティックやプライオメトリックスなどの高強度のトレーニングに移行し
ていく。
●スキルでは、ジクザク走等の方向変換走やスピードを
変える加速減速疾走、止まった状態からのダッシュや、
ターン、ジャンプを伴ったダッシュへと次第に動きにも規則性
のものから不規則性のものへと複雑かさせる。
●次の段階としては、鬼ごっこのように相手を伴った動き
へと移行する。この段階では、一方ではよりサッカの動きに
近い相手の逆をつく動きを取り入れ、それに対してもう一方
では、リアクションの動きも同時に取り入れる。ボールを使えば
そのままサッカーの1対1の局面になり、ボールを使わなくても
サッカーの試合ではそのような状態が非常に多く見られる。
このように、オフシーズンからプレシーズンにかけて身体の使い方
に着眼点を置き、基礎的な調整力および敏捷性のトレーニング
を取り入れると良い。
プレシーズンのメインテーマはチームづくりである
- チーム戦術を遂行できる能力の養成
- ポジション別などの専門的な動きづくり
- サッカーに必要な専門的な体力・運動の力の発達
●プレシーズン週間スケジュール例
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| フィジカル ステミナ 60′ |
フィジカル スキール 60 |
フィジカル スキル 60′ |
||||
| 休養 | 技術 戦術 60′ |
技術 戦術 60′ |
技術 戦術 120′ |
技術 戦術 60′ |
技術 戦術 120′ |
練習 試合 90 |
| パワー 30′ |
パワー 30′ |
パワー 30′ |
●インシーズンの考え方
インシーズンにおける試合直前の1~2週間のコンディーショング
が非常に重要な意味を持つ。試合が連続するインシーズン
においては、試合の疲労回復に時間が当てられるため、
練習・トレーニング量を減らした調整期間として消極的に
とらえられがちである。しかし、時間こそ短時間でも、強度の
高いトレーニングを行うというように積極的に考えることが大切
である。つまり、量的には少なくとも質の高いトレーニングを行う
ようにしなければならない。従って、ウォーミングアップおよび
クーリングダウンがほかのシズンにもふやして重要になる。
インシーズンにおいては練習・トレーニングの量が減るために、
シーズンが進むにつれて、筋力の低下や筋量の減少が
起こる筋・パワー系のデイトレーニング現象を指摘した研究が
多い。しかし、サッカーの試合では、瞬時に発揮される筋パワー
が勝負を決める腰因となることが多いため、身体のキレを
出すようなパワー系の筋力トレーニングは、インシーズンに
おいても欠かさず行うのが望ましいと考える。当然あらゆる
体力要素のフィジカルトレーニングが必要であるが、特にパワー
系のトレーニングは、これまで作り上げた筋力の維持とともに、
肉離れなどの筋肉系の障害予防にも役立つ。
また、グリコーゲンの貯蔵庫でもある筋量の減少を防ぐためにも
有用であろう。
●プレシーズン週間スケジュール例
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| フィジカル ステミナ 60′ |
フィジカル スキール 60 |
|||||
| 休養 | 技術 戦術 60′ |
技術 戦術 60′ |
技術 戦術 120′ |
技術 戦術 90′ |
技術 戦術 90′ |
練習 試合 90 |
| パワー 30′ |
パワー 30′ |
インシーズンのメインテーマはチームの完成
- 試合出場選手の疲労回復
- 試合の反省の基づいた修正
- サブ選手のコンディショニング
☆トレーニングの理論
- 過負荷の原理
- 漸進性の原理
- 継続性の原理
- 全面性の原理
- 意識性の原理
- 個別性の原理
トレーニングの原則である。少しきつめの適切な負荷を選ぶこと
が大事である(過負荷)。負荷をだんだんきつくしていく上で、
いかに増やすかが良いトレーニングのポイントとなる(漸進性)。
続けることが重要であるが、休むこともトレーニング計画に必要で
ある。(継続性)身体全体をバランスよく、弱いところがない
ようにトレーニングすべきである(全面性)。こころから意識して、
主体的に、科学的に行うことが重要である(意識性)。個人の
違いを知り、ワンパタンの練習は避けるべきである(個別性)
☆疲労と超回復の原理
オーバートレーニングとは、過剰なトレーニングによってパフォーマンスがに
低下し、容易に回復しなくなった慢性疲労状態のことを目指
すトレーニングによって疲労が生じ、一時的に身体機能は低下
するが、回復過程において適応が生じ、身体機能の向上が
起こることは誰も知っていることである。疲労と回復の繰り
返しによってトレーニング効果が高まり、パーフォマンスも
向上していくわけであるが、疲労の回復過程で不完全が
得られないどころかマイナスに作用する場合がある。つまり、
このような不適切なタイミングで負荷をかけないよう、日ごろ
から疲労回復に務める必要がある。
●疲労から回復するために
オーバートレーニングに陥らないためにも、コンディションを常に
把握して、まずはトレーニング負荷の設定を適切に設定するとと
もに、ライフスタイルでは就寝時間と起床時間をできるだけ
一定にして生活のリズムを整え、十分な睡眠時間を確保する
ように留意しなければならない。また目的に合わせたトレーニング
と食事によって、筋肉の修復および筋量の増加は効果的に
行うことができる。
●筋肉の修復、筋量の増加は睡眠によって回復
●トレーニング直後&ノンレム睡眠中
●成長ホルモン多量に分泌
●トレーニング後や夕食にタンパク質を豊かに含んだ食事
トレーニング⇔睡眠⇔食事
☆トレーニングの種類
トレーニングの種類は、
- スタミナ系
- スキル系
- パワー系
- スピード系
- 組み合わせ
- 年代
- 個人差シーズン
| スタミナ系 | エンデュランス(持久力) | インターバル(LSD) |
| スキル系 | コーディネーション | SAQ・対敵動作 |
| パワー系 | 筋力トレーニング | プライオメトリクス(瞬発的パワー) |
| スピード系 | レジステッド(抵抗を入れる) | アシステッド (逆抵抗、引っ張ってもらう) |
☆コーディネーショントレーニング
| ステップ ① |
ステップ ② |
ステップ ③ |
ステップ ④ |
|
| スキル系 | 基礎的運動 調節力 |
基礎的運動 調節力 専門的運動 調整力 |
専門的運動 調整力 アジリティ クイックネス |
アジリティ クイックネス |
| パワー系 | 基礎的筋力、 バルクアップ |
基礎的筋力、 バルクアップ 機能的筋力 パワーアップ |
機能的筋力 パワーアップ バリスティック プライオメトリクス |
レジステッド アシステッド |
| スタミナ系 | 有酸素性 持久力 |
有酸素性 持久力 |
無酸素性 持久力 |
無酸素性 持久力 |
| 期分け | オフシーズン | オフシーズン | プレシーズン | プレシーズン |
コンディショニング・マネジメントには、さまざまな要素から成り
立つものの、やはりフィジカルトレーニングが最も欠かせない
要素である。特に、オフシーズンからプレシーズンに
かけては、フィジカルトレーニングに適した時期である。
フィジカルトレーニングにおいて考慮すべき点は、
強化する体力領域の特異性と順序性である。
このページで述べた各トレーニング種類について
細かく実際の例をフィジカルトレーニングのページで
紹介しています。チームの役に立ててください。



